今回は、鉱物を採集した後の、整理と保存方法について紹介していきます。あくまで個人的な方法の一例になります。最終的には、皆様のお好みの方法をご利用ください。
鉱物の現地での整形について
現地で鉱物採集する際に、いろいろ方法があると思いますが転石を割って採取する方法の場合、自前の標本箱のサイズに合わせる必要があります。私の場合は、ハンマーの角を使ってこすり落とすイメージでハンマーを振り、採集したいサンプルの角を落とすイメージで成形します。こうすることでサンプルの面が新鮮な面になり理想的な標本になると思います。この後新聞紙で、包みサンプル袋に入れます。
鉱物標本の帰宅後の作業について
・洗浄について
拾ってきてそのままの状態だと、多くの場合泥にまみれております。結晶が、綿状のものや繊細な針状の場合は、水洗いを避けます。頑丈な鉱物に関しては、歯ブラシなどを使って水洗いをしてもよいかもしれません。水分は、鉱物を保管する際に大敵になりますので、十分乾燥させてください。
コケや植物の根については、ピンセットなどで利用し取り除きます。
また、鉄サビ(褐色)や二酸化マンガン(黒色)になっているものは、薬品や洗剤類に漬け込むことで取り除ける場合があります。主に、サンポールやネオナイス、ハイドロハイター、ビタミンC飲料水、薬局で入手できれば蓚酸や塩酸類、などを利用して取り除くことができます。漬け込んだとは、数日水に漬け込んで置きます。取り出した後に、十分乾燥させてから保存ケースに入れてください。
・標本ラベルについて
以下の項目を意識して作成するとよいと思います。
重要項目は、産地と鉱物名です。ですが採集して鉱物名がわからない場合は、空欄にし、後から記入します。採集日を記入しておくと最近採取したのか昔に採集したのかわかるため記入しておくと便利です。
採集者は、アマチュアが楽しむ分には、重要ではないと考えております。
また、標本番号も都道府県別や産地別など目的別に変化しますので最初は空欄にしておき
後から標本リストを作成する段階で書き加えればよいと思います。
・標本の保存方法について
鉱物によっては、紫外線・酸素・湿気・乾燥などによって変化してしまうものも存在します。乾燥剤を入れ密封しなければならないものや、水につけて保存や暗所保管の必要があるものが存在します。例としては、オパールやアメジストが有名だと思います。オパールは、ひびが入り、アメジストは、脱色します。
参考文献・参考図書
・鉱物採集の旅 関東地方とその周辺 櫻井欽一 加藤昭
・鉱物ウォーキングガイド 関東甲信越版 松原 聡
・鉱物ウォーキングガイド 全国版 松原 聡
・ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑 柴山元彦
・ひとりで探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑2 柴山元彦
・関西地学の旅9 天然石探し 自然環境研究オフィス